気持ちを込め、鑿でうがつ。
玩具の作者達は、江戸時代は比較的低い階級が多く、明治になっても、内職的存在、農閉期の副業にする人が多かったため、社会的な仕事として認識されず後継者が不足し、新しい世代へ受け継がれることが無かったのです。そのため、現在では、高年齢者等の仕事となっていることが多く、滅びに向かっていると言っても過言ではありません。
民芸品工房「野沢民芸」は、作者"豊琳" と職人達が、みちのくの地会津で日本の伝統を絶やすことの無いよう心を込めて、作品の製作をしております。みなさまに、この素朴で心あたたまる作品をご愛玩いただければ幸いです。
郷土玩具への想い
江戸時代から明治にかけて、日本各地で作られた手作り玩具は、紙、土、木、わら、竹などを材料として作られてきたものです。
江戸時代、三百年の鎖国や国内の大名割拠により容易に交流が出来なかった時代、その土地独特の生活習慣、信仰を反映した玩具が作られました。そのような玩具が大正の初めより「郷土玩具」と呼ばれ現在に至っております。郷土玩具の多くは、子育て・開運・商売繁盛・五穀豊穣を祈願したものでした。